2014年2月25日火曜日

C2残留やれんのか。崖っぷち3連戦の最終戦「茨城シクロクロス」

写真:タンネさん
残留をかけての崖っぷち3連戦の最終戦「茨城シクロクロス第2戦」に出場してきた。このレースで66%以上の順位に結果を残せば、カテゴリ2残留。ダメなら降格でシーズン終了。

カテゴリ2は約12時スタートとはいえ、早朝に到着してものんびりという感じでもなく、ウォーミングアップのためのウォーミングアップを含めたウォーミングをしたいこと、アップ後に決戦用ジャージに着替えることを考えると、10時くらいから動きはじめなくてはならない。

この時間にスタートするほかのカテゴリを観戦できないのが残念だけど、狙ったレースではまず自分を中心に考え、集中力を高めていくことにした。自分がまずは楽しむ。それでいいんだ。

アウトドア・アイテムに囲まれたTeamTAMAGAWAの清水さんが、お汁粉を食べているのを横目に「え、スタート前にお汁粉?」とひとこと牽制し、ウォーミングアップの準備をする。

小貝川河川敷の寒空の下、汗だくになるまでローラーをまわす。「いまのキツイは、レースでのラクをつくる」と信じ負荷をかける。

滴る汗をふき、ポカリスエットと水で水分補給、VESPAと梅丹本舗のカフェインプラスで合法ドーピング。この組み合わせも今日で3戦目。効くか効かないか、結果は出たが体感はない。

着替えたジャージのゼッケンは16番。スタートは前から2列目で悪くない。いつも上位でゴールするTeamTAMAGAWAのふたりを残留基準にし、離れないように意識する。

Facebookでは「全力アシストします」と言っていたTAMAGAWAの金子さんが、スタートラインでマイクを向けられ「表彰台狙ってます」と答えた。全力アシストはどこ行った? いいのか、それで。

出走者は33人、21番目ぐらいまでが残留基準。スタートで少し前に出てあとは耐えしのぐ、ここ2戦のやり方を踏襲できるか。

スタート!  可も不可もないスタートダッシュと安全第一の自転車さばきで、計画通りに少し前にでる。

しばらく7番目くらいで進むが、カーブのたびに前につまってしまい必要以上にブレーキングさせられる。

ほぼベストな空気圧で使ったときのIRCのチューブレスタイヤ「シラクCX(SERAC CX)」の旋回性能の高さにニヤリ。

これまで黙ってはいたけど、カーブが誰よりも下手だと自覚していた。とにかく曲がらず、外にふくらんでいた。

写真:MakotoAYANOさん
後続に追いつかれることに怯えながらも、ふくらまないようにスピードを落とした。加減速のギャップは体力を奪いとる。だからとにかくそれを補う体力をつけなくてはいけないと思っていた。

「プロなんかはねー、空気圧1.3や1.5くらいまで落とすんですよ」とかいうタイヤベコベコ至上主義に騙されていた。

この風潮には「騙されていた」とここでハッキリ言い切りたい。それぞれのタイヤのそれぞれのセッティングを見つけることが重要。

崖っぷちの3連戦の中に、覚醒をみた。眠っていた力の開花を自分のなかに感じていた。

しかし現実問題、前がつまると無駄に体力を消耗してしまうので、その結果直線で離される。

「いま10位くらい!」
「いま12位!」「いま15位!」

写真:春日部写真店
抜かれる、抜かれる。あきらかに脚力の差があり、背後につくことも許されないスピード差でブチ抜かれる。

スピード差をつけてブチ抜き、相手の心を折る作戦も含まれているにしてもライバルたちは速い。

残り1周の表示。高密度に順序がひしめき合うカテゴリ2では、たったひとつの転倒が命とりとなる。まだまだ安心できない。耐えるところは耐え、絶対に転倒してはいけない。

写真:タンネさん
耐えて耐えて、耐える。とくに直線を耐える。耐えてつらくても脳は明晰に予定通りの場所にタイヤを向かわせ、予定通りにコースをトレースする。

ラスト1周、今シーズンのすべてのベストを集約する。さぁ吐くまで踏めるか!

結果、14位でゴール。ゴール後「おめでとう」と言ってくれるライバルたちと握手する。昇格までもう少しだった3位の選手まで「おめでとう」と祝福してくれる。なんという心のひろさだ。これが強いものの優しさだ。

拾ってしまった子猫の飼育と犬のペコの世話に、残業増で練習ができなかったことに加え、出場したレース中のトラブルも多く3回もDNFと今シーズンはホントに厳しかった。

そしてIRCタイヤ。このタイヤにかえてからの崖っぷち3連戦、乾いたスピードコースの湘南、進まない泥の桂川、そして今回の茨城を転倒ゼロで、連続の残留基準クリア。

これまで、チューブラー使用でベストのセッティングを出せずにいたという気づきを与えてくれたIRCのシラクCX。タイヤにどこまで求めるかにもよるんだろうけど、必要十分の性能だと思う。

来シーズンは何を使おうかと、思い巡らす機材スポーツの楽しさはベストなセッティングを知ることで加速する。ベストな空気圧を見つけた高価なチューブラーで、空気を切り裂くディープリムのホイールだったらどうなんだろうか。シラクCXで十分とは言ったものの、それもまた気になるねというのが正直な今の気持ち。

ついにコーナーワークという大きな伸び代をほぼ失った。来シーズンこそ、勝負の年だ。

ピットに入ってくれたTeamCUOREのみなさん、会場で工具を貸してくれたスネルの諏訪さん、応援してくれる人たち、レースでやりあえたライバルたちに感謝します。金子さんの全力アシストにも感謝します(¬_¬)

2014年2月4日火曜日

桂川でやれんのか、初めての関西シクロクロス(2014/2/2)


京都の泥を巻き上げるために、初の関西遠征。写真:yasuさん

残留チケット1回目(3回で残留)を得た「前回の湘南シクロクロス」に偵察に来ていた京都のマリオは言った「湘南のカテ2遅っ、湘南はカテ2.5やな」と。「?」顔の自分に「桂川に来ればわかる」と。

ならば、行ってやろうじゃないの。残留チケット2回目を掴みに行こうじゃないの。関西のレベル、どんだけのもんだべさ!

さて、ナビに翻弄され、迷いに迷って桂川。着いた途端「グエルチョッティのそれ、メッチャかっこえ」と小学生に絡まれる。「カンパニョーロでメッチャかっこえ」、初対面でもグイグイとこれも関西らしさだろうか。そんな初関西シクロクロスで初試走。

「GPミストラルに似ていて、得意なヤツだわ」

しかしこれ、京都のマリオが言うに「例年の桂川の2倍きつい」らしい。私の得意宣言に「関西は湘南とは違う。残留? むり、むり」と再度、圧をかけてくるマリオ。お主、ワリオか。

三船雅彦氏によるシクロクロス教室にも参加し、盗める技は盗む。それなりに乗れているし、いまさら習うことなんて……と思っていたが、1周3秒を縮めるヒントがそこにはあった。

他のレース会場でも使えるヒントではあるが、参加費500円を払ったので、ここには書かない。なんでもネットでタダだと思ってはいけない。

三船教室で手をあげる良い子のみなさん。写真:高木さん

はい、変わって次の日レース当日。夜から降った雨でコースはグチャグチャ。斜面は滑り、平坦は重い。「例年の桂川の8倍くらいはきついんじゃないか、マリオ」というコースに。

乗車できない場所が増え、そこでは渋滞になるだろうから、残留チケット2回目ゲットするには、とにかくスタート位置とスタートダッシュ次第ではないかと。前に出て、耐える。それしかない。

出走人数は72人。

スタート位置は、関西シクロクロス前レースの獲得ポイント順だとかなんとかで、スポット参戦の関東組には厳しい厳しいほぼ最後尾。関西シクロクロスの運営がしっかりしすぎて、関東勢が前に並ぶスキはなし。さすがの関西シクロクロス。私はつらい。

マリオ、このやろう。写真:ムスメミユキ

スタートして直線で30番目くらいまで前に出る。長い直線を終えても視界に入る京都のマリオをはやく消したいと焦る。

今日もタイヤはIRCのシラクCXだろ。写真:ムスメミユキ
毒の沼地で。めっちゃかっこえ自転車も泥まみれ。写真:つっつん

やはり前回同様「SHAMALにIRCのシラクCX」のおかげでコーナーは余裕。しかし、苦手な担ぎ、苦手な押しで体力が削られ、踏め踏め区間で次々と抜かれてしまう。

知人たちの応援の声も聞こえるが、周を重ねるごとに「こりゃダメだろう、ダメだろうけどまぁガンバレ」という雰囲気の声色になっていく。追い打ちでコーステープがクランクに絡まり頭真っ白。絡まるテープを解き、ちらりと振り向くと、後ろに続くものはなかった。

終わった。終わったか。

関東組よ、関西は障害物が高いぞ。写真:ムスメミユキ

関西、京都くんだりまで遠征して、終わったのか。終わっていても途中で投げ出すこともできず、苦しみの表情を演じなくてはならないのがシクロクロス。そう落胆している自分に「はい、45、46、47〜、50まで残留」の声。

「後続なしというか、後ろは遠いのね、離れてるのね、心が折れているのね」と俄然やる気に。とにかくこの位置をキープ。我慢、我慢。

我慢の末、最後の1周でひとりを抜くオマケつきでゴール。おそらく46位だが、天の声のカウント頼りで、順位に確信はなく、よろこびのガッツポーズもなく。

ゴール後の心拍数急降下で胸が苦しく嗚咽が止まらない。

結果は、46位で残留チケット2回目をゲット。ここまで超崖っぷち。残留に向けた過程が熱すぎて倒れそうだ。

関東組のみなさん、現地でお会いしたみなさん、応援してくれたみなさん、ありがとうございました。アウェイながらもホームを感じて、おかげさまでひとまずの目標を達成できました。

次戦はシクロクロス東京をパスし、茨城シクロクロスに参戦。おそらく、これが今季最終レースで、ここで残留するか降格するかが決定するだろう。

※業務連絡……IRCのタイヤ(シラクCX)にかえてから残留チケット2連続ゲットです。これは結果が出るタイヤということです。チューブラーは敷居が高いと思う人は迷わず買えばいいと思う。買うときは「あさかのブログをみたので」とひとりごとを言うのだぞ。

そしてつい最近、なにやらマッド用が発売になったとか。マッド用ではなくても十分に走れたというのに。マッド用ならもっと走れちゃうのか、だったら無敵だな。IRCさんへ。供給お待ちしております!