2011年10月17日月曜日

信州クロス第1戦、シクロクロスが示すもの


信州クロス第1戦「富士山」に出場してきた。シクロクロス経験4戦目にして初の遠征だ。

受付で渡されたゼッケンはアイウエオ順で「1」番。番号の若い順にスタートラインに並ぶことになる。スタートが重要なシクロクロスでこれはラッキーでしかない。渡辺さんじゃなくてよかった。ンガンダさんじゃなくてよかった。

「広い牧場の柔らかい土、草が選手を苦しめる」と信州クロスのサイトにあるが、前日までの雨で土が水を含み、より苦しいコースになっていると感じた。ただただ進まない。1周3.5kmが長く長く感じる。30分の競技時間じゃ2周で終わるんじゃないのこれってくらい。

だだでさえ進まないコースなのに、土を掘り返しフカフカにした意地悪な区間までも登場。シケインも上り坂の途中にあって勢いが殺される。ただし、油断するとすってんころりんと転んでしまうような場所はない。とにかくパワーで踏める人が有利なコース。試走ではそんな印象だった。

スタートは集中。前回のレースで緊張のあまり、スタートの合図でボーッとしてしまい大きく出遅れるという失態を犯してしまった反省をいかさなくては。「バン!」という号砲に30代男性の標準くらいの反応速度でそれなりに対応。ペダルは1回でははまらず、同じく最前列に並んでいた3人に少し前に出られる。若干の焦りはあったが、今回は冷静にペダルをはめ、グイと前に出る。

スタートからひとつめのコーナーで2番手につける。2番手の後ろについているとまえが詰まる感じがしてペースが乱れる。スキをみて前へ。先頭に出た。あとは踏むのみと思ったらまた抜き返される。いやいやオレがとまた前へ抜き返す。また先頭。

これを繰り返したら脚が重い。その瞬間後方から別の人が抜く。ん、今度はスピードが違う。あ、十代の若手だ。「あー、オレオワタ」「若者には勝てない」と思った瞬間、緊張の糸が切れた。スタートしてから2kmくらいの地点。

完全にタレた。抜かれる。黄金のタレが出たらもう終わり。どんどん脚が重く感じてきてギアを軽くする。軽いギアは進まない。また抜かれる。

タレタレで「もうイヤ、帰りたい」と思っても3周させられる。拷問の3周を18位でゴール。リタイヤせず走りきったのが39人。33分でゴールした先頭から5分くらい遅れたとても残念な結果で終わった。

「若者には勝てない」と思わされた勢いのあった若者は、パンクで順位を落とした。結果の順位だけ見れば、自分より後ろだ。おい、おれ、なぜあそこでタレた。

「勝たなきゃ意味がない」という思い込みが、2位や3位になった瞬間にタレを生み、結果をさらに悪くする。

もちろんシクロクロスの結果は相手あってのことだけど、まず自分の出せる力を100%出しきることが重要。出しきって、その後結果がついてくると考えを変えなくてはいけない。

今回はクソなメンタルを発見できた。クソなメンタルにうすうす気づいてはいたけど確信した。

シクロクロスは自分のヘタレっぷりを教えてくれる。そしてそれを克服できる人間なのか、塗り替えることができる人間なのか、ずっとヘタレのままなのか、シクロクロスが示し続けてくれるだろう。