先週の東北シクロクロス猪苗代湖では、レース中に力を抜きつつ走るところ、抜いてためたその力を爆発させるところとメリハリをつける走り方を、ほんの少しだけ掴みかけた。
どうしても脚を使わなくてはいけない砂地にすべてを賭けて走った猪苗代。ブレーキのトラブルに泣いた猪苗代。枕元にカメムシが現れる猪苗代。猪苗代で掴みかけたシクロクロスの流儀を今日の吉見にぶつけよう。
現地入りしてすぐ、コースの試走に出る。砕けやすい砂の塊がゴロゴロとしたコースはとても走りにくい。試走でさっそくイヤになる。猪苗代のなんたらがまったくいかせそうにない。おまけに、またもやシケインが上り坂にある。
「いじめればいいってもんじゃないんだよ、軽快にシケインを飛び越える姿も美しいのであります! オーガナイザー反省しなさい!」と。
と、言ったところで、何もならないので、力を爆発すべきところを探す。ほかの人が無理でも、自分なら行けそうな場所。
・壁のような上り坂
・粘土質な泥のジグザク
試走している人たちを見渡すと乗車率が低い。ここを全部乗ってクリアする。前がつまると、乗れるものも乗れない。だから先頭で通過する。それで後続に差がつく。
試走後、スタートまで時間がある。
「あ、ブログ読んでます」「あさかさん、ブログ読んでます」
「こないだのブログ読みました」「ブログ読んでますので」
今日は何人来るんだよ。動揺作戦か。それうれしいから。
準備しっかり(イケメンカメラのオダさん撮影) |
スタート1時間前。VESPAプロを飲む。スズメバチエキスがガツーンと効くらしい。スズメバチには1度刺されてるし、ガツーンと昇天するかもしれない恐怖のサプリ。飲んでローラーを続ける。最大心拍数の90%以上にあがらないまま、招集時間が迫りウォーミングアップ終了。
招集。チームポイントのおかげで最前列スタート。「ドキドキしてこわいですねー」と隣の人が言う。緊張してるし、ほんとにそう思うので「こわいですね〜」と全肯定する。
スタート! そこへ行くのです!(イケメンカメラのオダさん撮影) |
砂利道の直線でかわしてトップ。あとは試走のイメージを実行するのみ。ピタリと後ろにつく人の気配がある。少し無理をして踏んでもついてくる。
「壁のような上り坂」手前でインナーに入れ、ぐいとのぼる。後ろではシューズで土を踏む音が。坂で降車しているようだ。しかし、差は広がらない。
意地でも乗って行くのです!(tannenbaumさん撮影) |
泥のジグザクへ行くのです!(ゆみちゃんさん撮影) |
脚の痛みに耐え、そこへ行けばいいのです!(イケメンカメラのオダさん撮影) |
後ろはカメラに写りにくいのだ、がはは(イケメンカメラのオダさん撮影) |
あらよっと(tannenbaumさん撮影) |
バビューンの瞬間(tannenbaumさん撮影) |
そのまま追いつくことなく先頭から9秒差遅れの2位でゴール。3位には1分ほど離した。たくさんの「昇格おめでとう」の声。咳き込む自分に「その咳をしてこそ、シクロクロッサー」という褒め言葉(?)。ああ、嬉しいね。
ピッタリついて勝機をうかがっていた勝者をズルイと思う人もいるかもしれない。「一番強かったのはあさかだ」、そう言ってくれる人もいた。でも、自分としてはペースをつくらせてもらった気がしている。
早い段階で、1発バビューンをやられていたとしたら、また心がボキッと折れていたかもしれない。いいんだ、だから。
表彰台で少し泣いた。ああいう場で嬉しさを爆発とはなかなかいかないね。
自分に感動。応援ありがとうございました。次のレース野辺山はカテゴリー2で走ります。
ゴール、2位の2でピース。2位でいいんですよ!(イケメンカメラのオダさん撮影) |
昇格してもぜんぜん懐いてくれない(tannenbaumさん撮影) |