2012年12月22日土曜日

カンパニョーロのクランクにアウター42Tをつける

「アウター46T、インナー36T」、シクロクロス競技においては極めて一般的なチェーンリングがセットされたクランクを購入し、さして疑問に思わず、約1年を過ごした。

アウターに黒いリングを。見た目も悪くない。
「一般的なものを買っておけばひとまず安心」という気持ち。「カンパのクランクかっこいいし」という実用度より見た目を優先する気持ち。

しかしながら、実際にこれでレースに出てみると、フロントはアウター、リアはロー側を使うことが多く、明らかにチェーンに無理をかけていた。ギリギリときしむ音をたてることもあり、力の伝達効率も悪そうだった。

ここで言う「一般的」とは「プロ選手やトップレベルの選手に言える一般」であって、自分の脚力には合っていないのだろう。

そこでアウターを42Tに。

PCD110のCampagnolo用アウターリングを探すのは難しい。インターネットで検索してもなかなか見当たらない。

そもそも製品としてないかもしれない。

ならばと、ストロングライトのインナー用チェーンリングをアウターにつけてしまう奇策(?)をとる。

インナー用リングなので、アウターリングに施されるような、スムーズな変速のための切削処理はされていない。

では、実際の変速性能はどうか。

インナーとアウターの落差が減った分、問題のないレベルで変速する。変速中は少しだけ踏み込みを優しくしてあげるくらいでよい。間違いなく実用レベルの範囲におさまる(シマノの変速に慣れた人にはトホホかも。ヘロヘロの状態でストレスなく変速したけりゃ、シマノの電動じゃないかなぁと)。

前回のGPミストラルはこのギアで出場した。過不足を感じない。勝てなかったのは機材ではなく、自分の力不足だ。

スタートダッシュで時速45kmくらい出しちゃうならもう少し重くてもいいのかな。44Tとかさー。ギア比がウンヌンカンヌンとかめんどくさいので言いません。

ってことで、「あれ、もしかして私、貧脚」と思ったら44Tくらいから試してみたらどーかねー。トップカテゴリーの選手でアウター44Tを使い上位に食い込んでいるチームメイトもいますよ。この事実が説得力に? 彼はシマノにSUGINOの44Tだけど。ふふふ。

Twitterもやってます。そこへ行くのです!

2012年12月2日日曜日

GPミストラル第4戦「その風は吹いたのか」(2012/12/2)


時系列はともかく、とりあえず写真を置くとブログらしくなりますね(写真:小金井三郎
前回のレース(野辺山シクロクロス)で惨敗し、レース後“とあるカテ2の男”に「どうすか、カテ2は(ニヤリ)」と先輩風を吹かされた私。咳が止まらない長引く風邪とディレーラーが折れるメカトラが重なったにしても、負けは負け。

負けた男は、ひとり唇を噛むしかなかったのであった。ブログで少し吠えてみるしかないのであった。吠えても吠えなくても今シーズンはまだまだ終わらない。レースはすぐにやってくる。「だって、冬がシクロクロスのシーズンだからさ!」ということで、私にシクロクロスの楽しさを教えてくれた心のホームレース「GP-mistral」の第4戦に参戦してきた。

まずはコースの試走。試走1周目を終えて、第1印象は「前回よりも簡単になった。でも、やっぱり降車してランニングする人も半分くらい出てきそうな区間はある」「先頭に出て、すべて乗る。それで差がつく」だった。その点、前回のミストラルと同じだ。

試走2周目。シケイン(障害物)、階段のセクションを除き、全区間乗れる感触を確かにする。泥区間でも乗ってクリアすることを決意。3周目、4周目は乗れるだけではなく、速く乗れるコース取りを探る。

ここでチームメイトの高校3年生カテ1レーサーを発見。一緒に試走する。「あさかさん、ここの泥ののぼりを乗って行けちゃうの、それもうカテ1っすよ」とヨイショ1発。「いや、オレは体力がないのだ、あとスピードが乗ったカーブが下手なのだ」と返す。高校生には、このようにクールな大人の返答をしましょう。ヨイショに浮かれてはいけない。

やいのやいの言いながら、水路に木を浮かせた危険ゾーンへ。高校生が「ここ乗ったまま行けるんすか」と問うので、試走4周を全部乗ったままこなした大人の私は「おうよ、余裕だよ」と先陣を切る。そこへ行くのです!

すべてのネタはすべてのブログのために(写真:しげごん
転けた。いさぎよく降車したほうが安全。そこへ行くのです!

そして、招集。スタートラインに並んでスタート1分前。「あさかー」と、チームメイトの声。「あさかー、あさかー」と続く。知らない人まで「あさかー」と。うるさい!!! 男と男の真剣勝負の場なのであります。そこへ行くのです!

スタートまで30秒前。静寂。10秒前。スタート!

ペダルがはまらず加速できない。1つめのシケインまでに先頭に立つつもりでいたが、加速1発が決まらず、番手を下げてしまう。

そしてシケインへ。前があきらかにシケイン下手で詰まってしまう。シケインを自分のリズムで軽快に越えることができない。

そしてすぐ右へのヘアピンカーブ。後続の前輪が、自分の自転車の後輪にガツガツと当たってくる。ヘアピンを降車してクイッとまわる人もいる。シケインからずっと降車のまま突っ込んできているのかもしれない。大渋滞がおきる。

広いコースから狭いコースに入ると渋滞がおきる。これぞ、自然の摂理。渋滞はおこるべくしておきるのだ。

しかし、再度ペダルを踏んで前へ出る。右から抜こうとする。右を閉められる。失速。いや、まだまだと踏ん張る。カテゴリー2は、やはりレベルが拮抗している。後ろにいるにはもどかしくても、ラインを外し荒地を走って抜くほどの脚力差はない。

青い空、天高く、生脚キラリ鼻水ダラリ(写真:せきねさん)
試走で乗れた区間で、前がミスったり、降車してしまう。これに付き合うしかない状態。

こうなると渋滞に従順に並ぶ不安顔のサンデー・ドライバー、ラーメン二郎の行列に従順に並ぶ小市民のようになってしまう。「あなたは高速道路の路肩を走りますか、ラーメン二郎の行列に横入りしますか」と問う。しないであろう。しないと答えたであろう。

しかし、そういうメンタリティをレースに持ち込んでいいのか、君たちは。「レースでは路肩を走れ! 横入り上等、夜露死苦。睨まれたら睨み返せ!」、そういう気持ちで挑まなくてはならない。私もそれを忘れてしまったようだ。真面目に生き過ぎたがゆえ。

光と影と色男(写真:せきねさん)
「どうすか、カテ2は(ニヤリ)」と風を吹かせた男が、前方にみえる。はやい段階で抜かれたのだが(ミストラルコーナーで律儀に並んで待っていたら、降車で隙間にグイと入り駆け抜けていったのをみた。必要なのはアレですよ、君)、距離はジワリジワリと近づいていた。これは追いつくのも時間の問題だ。

「どうすか、吉見は(ニヤリ)」と抜く。
ジワリジワリ(写真:小金井三郎

しかし、すぐさま抜き返される。ここで先輩のプライドをみた。そのまま、可もなく不可もなく負荷もなくゴール。34人中23位、トップからのタイム差は2分47秒。

「次はみておれ!」と挑んだホーム吉見の「GP-mistral」であったが、スタートのミスからそのまま無難な展開に飲み込まれてしまった。ただ、希望はみえる。現状でも十分戦えるし、展開次第で、あわよくば勝つことも不可能ではない感触を得た。

ゴール後、先輩が近寄ってくる。再度ここで風が吹くのかと構えていると「タイヤの空気が抜けちゃって〜、スローパンクみたいな」と、まさかのイイワケ。いいのか、それで!

その後、チームメイトといつものうどん屋へ。冷えた身体にガツンと沁みわたる「チゲ鍋うどん」をアフアフ言いながら反省会。「あさかさんは、もっと集団で走って揉まれるほうがいい。集団走行の練習が足りない。もっと他人にひきまわされたほうがいい」と、さっきまで腰が痛いと嘆いていたカテ3レーサー●●さんから説教を受ける。

「説教は昇格してからしましょうね」の意味を込め「じゃ次は●●さん優勝で」と返す。うどん屋に先輩風が吹いた。ミストラルが吹いた。いいのか、それで!

★twitterもやってます。アカウントこれです。役に立たない嘆きばかりですが、よかったら、そちらでもよろしくどうぞ〜。

2012年11月20日火曜日

野辺山シクロクロス(2012/11/18)


楽しみだった野辺山シクロクロスに参加してきた。野辺山シクロクロスの参加は今年で2回目。

去年は野辺山の尋常じゃない寒さに萎えた。ウォーミングアップもせず、冬のロードでノンビリ走る用厚手ジャージを着て最後尾スタートをするという萎えっぷりで、結果もわからない。ブログも下書き3行で闇に葬られた。今年はカテゴリ2デビューを野辺山でできるよろこびが先行して、寒さに負けずチームジャージを纏っての出場となった。

ここで話は1日過去に遡る。今年の野辺山シクロクロスは、去年は試走のみにあてられていた土曜日もレースを行う、2日間にわたる大きな大会となる。初日に子供たちのレースや、コスプレ・仮装で盛り上がるシングルスピードのレースが開催された。

豚汁を食べる人
午前中に試走を3週で終え、雨降る寒い野辺山でシングルスピードのレースを観戦した。その寒さに「豚汁を食べる人」というコスプレで観戦することになる。

きっと走ったほうが暖かいし、サンタのコスプレで子供たちにお菓子を配るほうが夢がある。「ら、来年はシングルスピードのレースにも出よう、ゆ、夢を表現しよう、シングルスピードのシクロクロスを買おう」、もう1台自転車を買う口実を探し求める豚汁コスプレ野郎であった。

明けてレース当日。予報通りの晴れ。風邪が治りきっていなく、予定通りノドも腫れ。前々日まで風邪薬と抗生物質を山盛りで服用していた身、「カテゴリ2デビューを無事故で終える」という、とてもゆるい目標を立てて挑む。殺伐としたレース・イメージなど、一切ない。

しかし、ウォーミングアップはしっかりしたし、サプリのVESPAプロも飲む。「行く道がひらき、うっかり勝てるなら、勝ってしまおう、シクロクロス。据え膳食わぬは、男の恥」の、心境であった。

昇格して第1戦目、上から目線である。この上から目線は、昇格直後のシクロクロッサーたちのありがちな勘違いであろう。カテゴリ2は、3では強かったが、1には上がれない、そこそこ自転車に乗るそこそこ速い人たちの吹き溜まりである。

本当に強いレーサーはあっさり勝ちあがるのだ。そういう例をたくさん目の当たりにし、くちびるを噛んだ男たちの吹き溜まりである。

「緊張してねーよ、ばーろー」
(写真:ミユキ巨匠
そんな吹き溜まりからはやく抜け出したい男たちの戦いは、スタート前から始まっている。スタート順が早い者勝ちで決まるのだ。前のレースがスタートするやいなや、招集場所に自分の自転車を起き、場所取りをする。早い者勝ちと知っていたけれど、あまり前のめりでも恥ずかしいしなと、やや遅めに場に着き4列目に並べた。

「1列6人までですよ」とスタッフに聞いていた善良な吹き溜まりたちが守っていた6人の隙間に、自転車が差し込まれる。真っ先に場所をとるものも、横入りをするものも、なんというか、せこさ爆発である。やや遅めの4列目は、狙い通りでそれはそれでイヤな感じだ。

スタート10分前くらいだろうか、スタッフに導かれ、スタートラインに向かう吹き溜まりの男たち。「少しでも前へ!」と隙間に差し込んでくる荒ぶる吹き溜まりの男たち。6列も何もない、超密度になったその状態に「これ、スタートできんのかよ」と叫ぶ男も。その声にニヤニヤし、自分はまったく戦う前の気分ではなかった。正直、カテゴリ2で走ることだけでニヤけていた。すでに満足していた。

スタートの音が鳴った。遅くはないが、極端に速くはない。自分の脚力が劣っているとは微塵も思わない。前が詰まっていると感じる。

外国人を従えて、そこへ行くのです!(写真:ミユキ巨匠
傾斜のあるアスファルトののぼりへ。ここでも自分の脚力が劣っているとは思えない。十分にこのカテゴリでついていける気がした。抜きどころがないバギーコースへ。前のペースが遅いが、抜けるほどのスピード差ではない。カーブで危ういスリップをする前走者にビビりつつの追走。急カーブで失速する前走者に合わせスピードを落とすと、自転車から降りて自転車を押しつつ、肩をあてて抜く人が。レースとはいえ、少し危険で強引だ。でもそれがレースへ臨む態度であるべきなのかもしれないな、気迫で負けてるよと、レース中に思う。

続いて、道幅の広い牧草地へ。どうも体力を温存してしまい、心拍数も上がりきらない感じ。下りでもテクニック不足で追い込み切れない。

そして泥区間。はじめから決めていた通り、自転車を担ぐ。しかし、担ぎのランは苦手。ここで負荷はマックス。バンバン抜かれる。厳しい。

ああ、泥レースだよ、おっかさん(写真:ミユキ巨匠
泥を終え、2連続シケイン(障害物)、再度短距離の泥区間、林を抜け、階段を駆け上がる。そして2周目へ。2周目も同様に、体力温存で走り、泥のランで削られていく。ラン以外の部分がランのための温存区間になってしまう。

男前に後光が射したよ、おっかさん(写真:ミユキ巨匠
3周目。応援の声がよく聞こえるし、よくみえる。返事までできてしまう。はっきり言ってレースは終わっている。4周目も同様。トップとの同一周回ゴールを目指す。はじめの目標どおり、事故なく完走するんだ。

5周目はもう泥区間を乗って行きたい。ランで消耗するくらいなら乗ってクリアする。やってみてわかる難易度の低さ、これは乗れる泥区間であった。

そして林へ。林の中のヘアピンカーブ(?)の泥区間をギアを落としてクリアした瞬間、タイヤがロックし、異音が。

5周目のここを過ぎたところでディレーラが折れた(写真:ミユキ巨匠
リアディレーラが折れてしまった。そこから担ぎ。ランを嫌がり、乗車でクリアしたはずなのに、その後ランを強いられることになるとは……。トップに抜かれ、周回遅れで完全終了。

トップに抜かれ周回遅れになった男の哀愁(写真:ミユキ巨匠
「カテゴリ2デビューを無事故で終える」という、とてもゆるい目標さえも達成できずに終わった。追い込み切れないレースで、身体から湯気も出ない。

DJガラパは「いいのか、それで!」と言ったとか、言わないとか(写真:小金井三郎
爆笑しながら迎えてくれた小金井三郎(写真:ミユキ巨匠
レース後、しばらくしてカテゴリ2の男に「どうすか、カテ2は」と先輩風をふかされるが、どうもこうもない。次はみておれ。

どんなレースも死に物狂いで挑め。体調が悪くても、苦手なコースでも結果がすべて。うっかりするとレース後も口撃されるのだ。レースはレース前から始まっているし、レース後もレースは終わらない。そんな吹き溜まりに私はいる。

楽しかったね、野辺山シクロクロス。応援ありがとうございます。また来年。


2012年11月5日月曜日

GPミストラル第3戦(2012/11/04)

夜走るナイトシクロクロスと、昼走るシクロクロスを土日で2連戦やってしまう信州の飯山か、いつもの慣れ親しんだGPミストラルの吉見か。悩ましい選択であったが、やっぱり大好きなGPミストラルに参加することにした。

先週の東北シクロクロス猪苗代湖では、レース中に力を抜きつつ走るところ、抜いてためたその力を爆発させるところとメリハリをつける走り方を、ほんの少しだけ掴みかけた。

どうしても脚を使わなくてはいけない砂地にすべてを賭けて走った猪苗代。ブレーキのトラブルに泣いた猪苗代。枕元にカメムシが現れる猪苗代。猪苗代で掴みかけたシクロクロスの流儀を今日の吉見にぶつけよう。

現地入りしてすぐ、コースの試走に出る。砕けやすい砂の塊がゴロゴロとしたコースはとても走りにくい。試走でさっそくイヤになる。猪苗代のなんたらがまったくいかせそうにない。おまけに、またもやシケインが上り坂にある。

「いじめればいいってもんじゃないんだよ、軽快にシケインを飛び越える姿も美しいのであります! オーガナイザー反省しなさい!」と。

と、言ったところで、何もならないので、力を爆発すべきところを探す。ほかの人が無理でも、自分なら行けそうな場所。

・壁のような上り坂
・粘土質な泥のジグザク

試走している人たちを見渡すと乗車率が低い。ここを全部乗ってクリアする。前がつまると、乗れるものも乗れない。だから先頭で通過する。それで後続に差がつく。

試走後、スタートまで時間がある。

「あ、ブログ読んでます」「あさかさん、ブログ読んでます」
「こないだのブログ読みました」「ブログ読んでますので」

今日は何人来るんだよ。動揺作戦か。それうれしいから。

準備しっかり(イケメンカメラのオダさん撮影)
スタート1時間20分前からローラーでウォーミングアップ開始。心拍の上がりが悪い。心拍があがる前に脚が痛くてあげられない。

スタート1時間前。VESPAプロを飲む。スズメバチエキスがガツーンと効くらしい。スズメバチには1度刺されてるし、ガツーンと昇天するかもしれない恐怖のサプリ。飲んでローラーを続ける。最大心拍数の90%以上にあがらないまま、招集時間が迫りウォーミングアップ終了。

招集。チームポイントのおかげで最前列スタート。「ドキドキしてこわいですねー」と隣の人が言う。緊張してるし、ほんとにそう思うので「こわいですね〜」と全肯定する。

スタート! そこへ行くのです!(イケメンカメラのオダさん撮影)
スタート! ペダルのはまりがイマイチ。じゃっかんスタートが遅れる。「ドキドキしてこわいですねー」の人が、下ハンをもってガシガシ進んでいく。さっきの弱気発言はなんだったのか。

砂利道の直線でかわしてトップ。あとは試走のイメージを実行するのみ。ピタリと後ろにつく人の気配がある。少し無理をして踏んでもついてくる。

「壁のような上り坂」手前でインナーに入れ、ぐいとのぼる。後ろではシューズで土を踏む音が。坂で降車しているようだ。しかし、差は広がらない。

意地でも乗って行くのです!(tannenbaumさん撮影)
3位以後は遠く離れた。ついてくるならついてこい! このまま、ふたりで昇格しようじゃないか。

泥のジグザクへ行くのです!(ゆみちゃんさん撮影)

脚の痛みに耐え、そこへ行けばいいのです!(イケメンカメラのオダさん撮影)
ラスト1周に突入。まだ後ろにいるようだ。自分のペースで先頭を走る。「苦しい」と思った瞬間「苦し楽しい」と思うようにする。念じる。

後ろはカメラに写りにくいのだ、がはは(イケメンカメラのオダさん撮影)
ラスト半周。シケインを超え、サドルに飛び乗るが、失敗。2度飛び乗ることになる。その隙をついて、左をぶちぬかれた。バビューンと音が聞こえた。その時を待っていたのだろう。

あらよっと(tannenbaumさん撮影)

バビューンの瞬間(tannenbaumさん撮影)

そのまま追いつくことなく先頭から9秒差遅れの2位でゴール。3位には1分ほど離した。たくさんの「昇格おめでとう」の声。咳き込む自分に「その咳をしてこそ、シクロクロッサー」という褒め言葉(?)。ああ、嬉しいね。

ピッタリついて勝機をうかがっていた勝者をズルイと思う人もいるかもしれない。「一番強かったのはあさかだ」、そう言ってくれる人もいた。でも、自分としてはペースをつくらせてもらった気がしている。

早い段階で、1発バビューンをやられていたとしたら、また心がボキッと折れていたかもしれない。いいんだ、だから。

表彰台で少し泣いた。ああいう場で嬉しさを爆発とはなかなかいかないね。

自分に感動。応援ありがとうございました。次のレース野辺山はカテゴリー2で走ります。

ゴール、2位の2でピース。2位でいいんですよ!(イケメンカメラのオダさん撮影)
昇格してもぜんぜん懐いてくれない(tannenbaumさん撮影)

2012年10月29日月曜日

東北シクロクロス猪苗代湖(2012/10/28)

磐梯山と猪苗代湖と砂地獄
玉こんにゃくが美味い東北シクロクロスに行ってきた。

楽し苦しいナイスなコース
玉こんにゃくを食べるとというか、こんにゃくを見るだけでも東北シクロクロスを思い出してしまうほど、玉こんにゃくと東北シクロクロスの関係は、梅干しとヨダレの関係並に強固なものになっている。

みんな、玉こんにゃくを食べるために東北シクロクロスに遊びに行けばいいじゃないかと。と言っても、東北シクロクロスは菅生しか出場経験はない。

猪苗代湖畔の林や砂地を盛り込んだ今回のコースは初めて。砂地で自転車を押しながら、へろへろになる自分しか想像できなくて、また今回もやってしまうんだろうと、自分に期待せずにいた。

男だらけの、楽しい、楽しいシクロクロス教室
前日入りで試走。池本さん、小坂光さんによるシクロクロスレッスンがあり、砂地を走るためのレクチャーを受ける。

深い砂をどこまで乗っていけるか。「いけいけー」とえらそうな自分
「乗れる砂地は乗っていけ」と
いわゆるロードバイクの正しいペダリングとは正反対の「むふふなペダリング」をすると、砂地でも乗れてしまうのであった(乗れるか乗れないかギリギリの砂地が乗れるようになる)。そのペダリング法はこのブログでは教えない。汚い大人だからさ。

スタート前(tannenbaumさん撮影)
「本番は、乗れる砂地で全開で行けるように、ほかの区間では体力を温存して丁寧に乗る」そう決意し、枕元にカメムシがやってくる砂壁が良い感じで剥がれたビジネス民宿で1泊。チーン。

スタート時間は9時。昨日と変わったところがないことを確認するだけの試走をし、ウォーミングアップを入念に行う。ローラーで追い込んで「オエッ」となったところで、アップ完了。

スタートは3列目中央。

序盤は冷静に走れていた(おださん撮影)
林の中はシングルトラックで抜きどころがない。先頭に出れば有利。そこそこのスタートダッシュで、8人目くらいで林に突入。とてもゆったりペースで展開する。余力十分だけど、強引に抜かない。これでいいんだ、砂地で抜くから。

林を抜け、視界のひらけた湖畔に出る。湖畔への入り口は、例の「むふふなペダリング」でも乗れない区間。潔く降りて自転車を担ぐ。担ぎ区間は苦手だが、先頭は近い。焦らず進め。

砂地にかける(tannenbaumさん撮影)
次は乗れる砂区間。乗れる。進む。疲れない。まごまごしてる人は抜いて行きまーす。と順位をあげる。作戦通りで2周目に突入。

林区間で先頭はさらに近くなっていた。すると前走者が落車。巻き込まれるが、少しのロスで済んだ。焦らず進め。

乗れる砂地で、先頭に再接近。作戦はあっていたと確信した。レース中、少しにやける。3周目に突入。焦らず進んでいたはずなのに、少し焦っていたのか、コーナーで1度落車。目を覚ませ。乗れる砂地で乗っていくだけで勝機はある。

前を見て焦らず進め
担ぎ区間で、ひとりにパスされる。昇格圏内は見えている。砂地で抜き返せる。焦らない。そして、砂地へ。

砂とホイールが擦れるような異音の後、後輪がロック。降車し、変速機のトラブルかと確認する。ペダルを手で回そうとしても、まったく回らない。後続だったはずの人たちが横を駆け抜けていく。焦る。自転車の全体をみてやっとブレーキのトラブルだわかり、再度乗車してもそこは砂地。推進力を失った自転車は砂に潜っていくだけ。もう、先頭は遠くへ消えていた。

4週目の砂地でも再度ブレーキのトラブル。

嗚呼、哀愁。男の背中
そしてゴール。出しきることなくレースは終わった。結果は15位。負けたので、機材トラブルのせいにしておきます。

でも、楽しかった。ガムシャラにペダルを踏むだけではなく、作戦を練って、それがはまっていく楽しさ。コース設定の良さを感じた。

ブレーキのネジをしっかりと締めて再挑戦したい。玉こんにゃくも豚汁も美味しかったです。ありがとうございます。

2012年10月26日金曜日

信州シクロクロス富士山(2012/10/21)

今週末には東北シクロクロスで猪苗代湖畔を走るので、前後しないように記録だけ残しておく。手抜きでごめーんね。オレのブログはオレのもの。お前のブログはお前のもの!

2列目スタート
だっは
去年も今年も草が重い
よだれが、だっは
ちーん
ゴール後、咳が止まらず呼吸困難に
反省
結果は36人中の11位。前日はジャパンカップのチャレンジレースで宇都宮、そして富士山でシクロクロスと2連続レース。軟弱な肉体にはちょっときつかった。さて、お楽しみの心拍数は?

90%切っちゃダメでしょーにー。そこ抜かれたところだよ……
抜かれても踏ん張れ、相手もキツイ


2012年9月30日日曜日

GPミストラル第2戦(2012/9/30)


犬でいられるのか、始末されるフンになるのか(写真:tannenbaumさん
ネタのためにレースをやっているのではない。ブログのためのネタ探しをしているわけではない。けっして!

吉見運動公園でGPミストラルが行われる今日は、強烈な暴風雨をともなう秋の台風が関東に近づき、午後には強い雨を降らせると予報されていた。

午後出走予定だった自分。「台風直撃、自転車も選手も吹き飛ぶサバイバルレースに」という、某自転車サイト風の見出しが頭に浮かんでくる。ありそうな状況だけど、もうネタはイヤだと心から思う出走時間2時間前。風も強くない。ただ暑いだけの時間。

敷地脇に伸びる田舎道で、ウォーミングアップ。心拍をあげる。少し下げる。再度あげる。あげたまま維持する。

時間をたっぷり使ったいいウォーミングアップができた。

充実のアップを終え流しているところで、知り合いのSさんを発見。話すためにちょっと止まろうしたらフラつき、サドルの先端が黄門様に直撃。イタタタ。でたよ、これかい、今日のネタは。あー、刺さった瞬間、ホントに痛くて出走できないかと思ったよ。

スタートダッシュ!(写真:オダさん

招集時間が迫り、スタート地点にパラパラと人が集まる。今日のスタートは、ポイント上位のチームが並び順で優遇され、最前列を予定していた。招集に遅れるわけにはいかない。

ポイント1位のチームの出走者4名が先に呼ばれる。次は自分の番。最前列。

すると、横に並んだチーム3UPの方が「あさかさん、ブログ読んでます」と。「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおお、ここでその激白は、心拍数上がるって!」とドキドキしながら冷静に「ありがとうございます!」と。おい、その返し、有名人きどりか。

レース前の前書きが長い。

はい、スタート! ペダルガチャリ。スタートダッシュが決まった。第1コーナー先頭通過。

第2コーナーも先頭通過。オーバースピードできれいに曲がれない。第3コーナーもオーバースピード。でも先頭。

チームの人たちがいるピット脇を進んで第4コーナー。まだまだオーバースピードで曲がらない。大回りになってしまい余計な体力を使っているのを感じる。次のコーナーも先頭。オーバースピードは、もう止まらない。

先頭に渋滞はない。脱・渋滞(写真:オダさん
今日は久しぶりに心拍計をつけてレースをしていた。苦しい中で、心拍数を確認する。96%。

「90%少しを上回るところで維持したほうが、平均的に速くなるはず」と、チームメイトと話していた。なのに、なのに。

次のコーナーも先頭。次も先頭。失速しがちな泥の区間を過ぎても先頭。シケインも先頭。1周目が終わって先頭。先頭は気持ちいい~。

しかし、ここまでの「先頭、先頭」の連発、イヤな予感がしますね……。

シケイン大好きの図(写真:有岡建設さん)
2周目。ついに2位に。でも、まだほぼ0秒差の2位だ。「ついていけ」と声がする。ついていけるだけついていく。「でも2位狙いじゃダメなんだ、2位狙いは結果3位以下に落ちてしまうんだ」という気持ちが、1位をうかがう姿勢に。前に迫る。少し踏めば抜けそうな気がするけど、前が粘る。

迫ったところでカーブにさしかかり、スピードの上下動がおこる。マイペースではないので、スピードの変化に合わせて心肺にも負荷がかかる。これが何度も繰り返される。

削られる体力。ジワジワと離される。気持ちが落ち、失速する。しばらくしてもうひとりに抜かれる。なにくそ!と、インをついて抜こうとしたところ、きっちり閉められブレーキをかける。一気に差が開く。

ボキッ。

ゴール直後の体育座り
(写真:オダさん
心が折れた音がした。完全失速。後続にも楽々抜かれる。そのままレース終了。結果は知らない。10位くらいと聞く。

先頭に出てしまうと、舞い上がってしまってコーナーに突っ込み過ぎる。ブレーキをかけるか、かけないかという話ではなく、曲がれる速さに落ちるように、何かしらで調整する必要がある。

ブレーキをあまりかけないとするなら、手前で脚を休める時間ができるのではないか。

終始ペダルを踏み、強いブレーキと大回りでロスしていくようでは、体力がいくらあっても足りない。

では、今日の心拍ギザギザを公開いたしやす。心が折れた瞬間が、よーくわかる。

あー、恥部だ! 恥部だよこれは!
あげすぎてもペースを落とすわけでもなし。下がったらあげるわけでもなし。そんな心拍計、やっぱりないほうがいい。

2012年9月22日土曜日

初の富士見。マウンテンバイクのレースに参戦(2012/9/17)

スズメバチは、黒いもの、速いものに攻撃する。(インターネット調べ)

富士見で行われるMTBのジャパンシリーズに参加してきた。

急な下り、張り出す木の根
(写真提供:有岡建設さん)
オレのおニューのバイク。BMCのエムティビィーィイーーーーーー!

そう、買ったのですよMTB。がはは。買う買うと言って買えなかったMTB、衝動買いと思うなら思うがいい。買ったなららレースに出る。「富士見なめんな!」と言われてもレースに出る。それがオレ!

スタートの招集10分前、奥多摩在住の某カエル人が「この人、普段はサイクルクロスやってるんですよ」みたいなことを言いながらBMCの広報かなにかの外国人を捕まえてきた。「オカイアゲ、アリガトゴザイマス」言われたり、写真を撮られたり。オレのビィーエムスィーーー!

初のMTBレースなので、レースの空気がわからず待っている間も緊張しない。

勝つイメージも何もないまま、スタートラインへ。冬じゃないから待ち時間もシクロクロスのように震えることもない。いいね!

自分のクラスの出場者は110人くらい。最後列に近いところからのスタート。

「これ何周するの?」「2周? 3周?」そんなやりとりをする数人。2周と聞いていたけど、2周のつもりで走って3周だとしたらイヤねと思って、やりとりに交じるアタクシ。やはり2周だそうだ。

MTBのレースは、最初から周回数が決まっていてレース前に発表がある。走っているうちに周回数が決まるシクロクロスとは違うところ。

そんなこんなで、はい「スタート!」

前がつまっているので焦らず、ペダルをガチャリ。簡単にはまる。ホッとして、いざ、踏み込もうとしたところで、少し前の人が落車。

数人巻き込まれたようだけど、スタートしてすぐののぼり坂での落車だし、大事故ではなさそう。レースが始まったワクワク感で、ややニヤニヤしつつ「おいおいおいー」と左に避ける。初のMTBレースなので、他人の落車にも寛容。

そしてコースはウネウネとやや細いのぼりへ。やたらと人がたくさんいて1列棒状に。出場者110人だものね。渋滞した中で、抜く気もさほどなく、心拍数にも余裕がある。

そして初の下りへ。階段の1段分くらいの段差がたくさんある。段差を落ちて、また段差。気を抜けないけどニヤニヤしてる。前転しないように、重心をやや後方に。

下りはのぼり以上に抜けるコースではない。「勝ち負け」にほど遠いところで無理にいって他人を怪我させても仕方ない。「アハハハハ」と、もう参加していることがただただ嬉しく、スタートから数分でもうお遊びムード。

段差を怖がる人が、自転車から降りてコースをふさぎ、また渋滞。「いーけ、いけいけいけー」ととても紳士に後ろから口撃し少しだけプレッシャーをかけるも、その後も前のペースに合わせて下っていくだけだ。口撃に意味がない。

はい、また前の人が落車。ひょろりと避ける。初のMTBレースなので、他人の落車にも寛容。殺伐とした気持ちはない。

下ったらのぼる。それがMTBのコース。周回コースだから、まぁそうね。

ロードバイクではのぼりようがない超激坂を、軽いギアで時速10キロ前後でのぼっていく。脚に負荷をかけずたんたんと。前が遅くて詰まっていても、抜く気なく「いけ、いけー」と余裕を持って、あくまでもノリは軽く。

のぼっては下って、下ってはのぼって。

前日試走で1度マグレでこなせた「急な下りの根っこが張り出しまくっている恐怖のエリア」は、やっぱり難しく、途中でペダルを外してしまった。MTBという自転車のポテンシャルを掴みきれていないので、ロードバイクやシクロクロスバイクでは到底乗って行けないエリアでは前転の恐怖が先行してしまう。

経験不足がモロに出る。ギャラリーからヤジを受け、苦笑いしながら恐怖のエリアを通過。

ホッとしたところで、左太ももにチクリと激痛が。「痛っ」痛む太ももを左手でさする。
さすりながらコースは薄っすら砂が浮くカーブへ。転けた〜。

転けた痛みより、チクリとされた痛みが気になる。「気にはなるけど、気のせい? 錯覚? 慣れないMTBで筋肉を変に痛めたのかなー」と、レース続行。

比較的余裕のあるエリアで痛む太ももをさする。あー、気になる。

ハチの毒が脳にまわって笑ってる
(写真提供:有岡建設さん)
1周終了で2周目へ。

2周目は人がバラけてしまい、まったくレースをやってる感じがしない。

緊張感もなく、終始チクチク痛む太ももを気にしつつも、知り合いからのヤジにニヤニヤする余裕はあったり、なんだかんだで2周を完走〜。

ホッとして痛む太ももを見る。うぬ、やっぱり腫れている。

気のせいではない。ハチに刺されたようだ。

「治療してもらったほうがいいよー」と促され救護室へ。そこには同じように、ハチに刺された人たちが……。

「スズメバチですよ、手を刺される前にみました」

スズメバチは、黒いもの、速いものに攻撃する。
(インターネット調べ)

なるほど。黒いジャージで走りました。

結果は95位。なるほど。ちっとも速くねぇ。